家庭でできる土砂災害への備えリスト
土砂災害はいつ、どこで起きてもおかしくない自然災害のひとつです。特に日本は山地が多く、年間を通じて台風や集中豪雨の影響を受けやすいため、家庭単位での備えが極めて重要です。家族でできる具体的な対策としては、防災グッズの用意や情報収集手段の整備、避難行動の習慣化などが挙げられます。
以下に、家庭で備えておきたい基本項目をまとめた一覧を掲載します。
備えの項目名
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備える理由
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おすすめの対策例
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飲料水と食料
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災害直後のライフライン停止に備える
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3日分×人数分を常備
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情報収集手段
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避難情報を即時に得る
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スマホ用防災アプリやラジオ
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衛生・健康用品
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二次被害や病気を防ぐ
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携帯トイレ、マスク、薬品
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家族間連絡手段
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安否確認や合流を円滑にする
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SNSや災害用伝言板の確認
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防災知識の共有
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パニック防止と迅速行動
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避難訓練、防災かるたの活用
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こうした備えは、一度整えれば終わりではなく、定期的な見直しとアップデートが重要です。特に食品や薬品の賞味期限チェックや、子どもの成長に合わせた用品の入れ替えなど、家庭ごとに継続した管理が求められます。
避難判断とハザードマップの使い方
土砂災害発生時の避難判断は、命を守る上で最も重要なアクションのひとつです。しかし、災害の危険度は目に見えにくく、判断が遅れると致命的な結果を招くこともあります。そのため、ハザードマップの理解と警戒レベルの活用が不可欠です。
まず、自宅や勤務先、子どもの通学路周辺におけるハザードマップの確認を行いましょう。自治体のウェブサイトや防災アプリで公開されており、「土砂災害特別警戒区域(レッドゾーン)」「土砂災害警戒区域(イエローゾーン)」などに分類されています。自宅がどのゾーンにあるかを把握することで、避難の必要性とタイミングを明確に理解できます。
また、自宅から避難所までのルート確認は、昼夜・晴雨それぞれの条件下での通行可能性を考慮して選定しておく必要があります。たとえば、川沿いの道や急傾斜地を避けるなど、安全なルート選びとその実地確認を定期的に行うことで、災害時にも冷静な判断が可能になります。
防災教育の観点からも、家庭でのハザードマップ活用は重要です。小学生でも理解できるように、地図を印刷して家族で話し合ったり、避難ルートを歩いて確認するなど、体験を通じて学ぶことが効果的です。これにより、情報の「見える化」が進み、判断ミスの防止にもつながります。
裏山や傾斜地を持つ家のリスクチェックと対策
裏山や斜面に隣接する住宅は、土砂災害の被害リスクが特に高いため、日常的なチェックと適切な対策が求められます。自宅裏に斜面がある、斜面上部に住宅や道路が存在する、擁壁があるなどの環境は、土石流や地滑り、がけ崩れといった複合的な災害を引き起こす可能性があります。
まず行うべきは、リスク箇所の目視チェックです。斜面に亀裂や段差がある、水が染み出している、木が傾いているなどの兆候がある場合、それは地盤の不安定化が進んでいる証拠かもしれません。また、大雨や地震の後には、見た目に変化がないかを改めて確認することが大切です。
こうした兆候を見つけた場合は、専門の土木業者や自治体の建設課に相談し、現地調査を依頼するのが適切です。特に土砂災害防止法に基づいて指定された区域では、自治体が実施する無料の相談窓口や助成制度が利用できる場合があります。